Cave automatic virtual environment
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6d/CAVE_Crayoland.jpg/1024px-CAVE_Crayoland.jpg
Cave automatic virtual environment(CAVE)とはイリノイ大学 Electronic Visualization Laboratory(EVL)のキャロライナ・クルーズ=ネイラ、ダニエル・サンディン、トーマス・デファンティが開発した没入型仮想現実体験装置である。
IPT(Immersive Projection Technology)と呼ばれる視点を自由にできるというインタラクティブ性を備えた仮想現実の方式で、1992年にイリノイ大学EVLが開発後、各国の大学・研究機関・企業等で設置・利用されている1。 約3メートル四方の立方体で構成された空間内のスクリーンに立体的にC映像を表示させて、仮想現実を体験できる1。 CAVEの仮想環境は、一部屋サイズの立方体で前・左右・床の4面のスクリーンに投影装置を用いて右目用と左目用の画像が交互に高速に切り替わる両眼視差の画像を投影して、これに液晶シャッタグラスが右目用と左目用のそれぞれの画像と同期する21(アクティブシャッター方式(英語版))。体験者はポヒマスと呼ばれる磁気式の位置センサを装備してこれによって360度の完全な視覚体験のみならず、仮想モデル内を歩き回ることも可能で分子構造の可視化、流体解析、気象シミュレーション、医療シミュレーション、自動車・航空機の操縦、建築物の試作設計などが想定される1。 日本国内では岐阜県各務原市の株式会社VRテクノセンター内でCOSMOSが運用され、東京大学ではCABINが運用された。
かつてヘッドマウントディスプレイ(HMD)は仮想現実の表示デバイスとしては適さないと評価された時期があり、この種の投影型表示装置と液晶シャッタグラスを組み合わせて没入型デジタル環境を実現した時期があったものの、装置が大掛かりで設置するための空間や維持費がかかることもあり、現在では一部を除き、下火になりつつある3。